大阪大学大学院工学研究科社会基盤マネジメント学領域

大阪大学大学院 工学研究科
地球総合工学専攻 社会基盤工学コース
社会基盤マネジメント学領域

大阪大学大学院工学研究科社会基盤マネジメント学領域 ⁄ お知らせ ⁄ SIP第3期課題「スマートインフラマネジメントシステムの構築」サブ課題e-2「第3回 EBPMによる地域インフラ群マネジメントに関するシンポジウム」を開催しました

新着情報Information

SIP第3期課題「スマートインフラマネジメントシステムの構築」サブ課題e-2「第3回 EBPMによる地域インフラ群マネジメントに関するシンポジウム」を開催しました

2025年4月18日にSIP第3期課題「スマートインフラマネジメントシステムの構築」サブ課題e2「EBPMによる地域インフラ群マネジメント構築に関する技術」プロジェクト第3回シンポジウムを大阪大学中之島センターにて開催いたしました.

小池淳司教授(神戸大学)から,インフラの価値評価およびその意思決定手法に関する紹介がありました.従来の評価手法には限界があるとして,景観やアクセシビリティ,防災といった貨幣換算が困難な要素も包括的に含め,インフラの価値を「社会的共通資本」としての観点から捉える必要性を示されました.


岩井聖アセットマネジメント企画調整官(国土交通省)から,様々な実例をもとにした地域インフラ群再生戦略マネジメントの推進について紹介がありました.自治体,事業者,技術者の「3つの束」によってもたらされる効果や維持管理業務における新技術の活用について解説されました.


貝戸清之教授(大阪大学)から,統計的劣化予測結果を踏まえた舗装構造設計について紹介がありました.また,地域のインフラに対して大学側がこれから担うべき役割や,デジタル空間を活用したアセットマネジメントの構想など,今後のインフラマネジメントについて展望を述べられました.


松島格也特定教授(京都大学)は,生活時間の多様性に着目したサービスアクセシビリティ評価から,アセットマネジメントが人々の生活をどのように変えるか解説されました.災害時の緊急輸送道路での所要時間と道路舗装メンテナンスの状態の関係性について今後の展望を述べられました.


青木一也特定教授(京都大学)から,発展途上国におけるインフラ管理へのアセットマネジメント技術の展開について紹介がありました.アセットマネジメント技術をこうした地域へ社会実装する際には,地域の社会や経済状況を考慮することが不可欠であると述べ,「適正」技術を導入する重要性を説明されました.



山崎達也様(三井住友信託銀行)から ,投資家と社会課題をつなぐ「社会課題解決型の金融仲介」について,橋梁の予防保全ビジネススキームを例に紹介がありました.収益を生まない社会インフラに対しても,便益の向上や維持管理コストの低減といった効果を定量的に評価することで,投資対象として捉える取り組みが紹介されました.

本シンポジウムには会場とオンライン合わせて約350名の方々にご参加いただきました.
今後もSIPインフラe-2は,インフラマネジメントに関する知識と課題を広く共有し,議論と理解を深める機会を大切にしながら研究開発および社会実装を進めてまいります.